カテーテル事故放置による死亡・医師説明内容の矛盾・問題点・論点【医療事件抹殺事件簿3】

病院内での経過・医師説明内容の主な問題点・論点

前回はこの未解決事件の概要について、全体像が分かるように説明しました。 この事件は病院内での治療の際の大事故、それを隠蔽する目的での患者殺害、 その後の隠蔽工作と、複数の隠蔽工作から成る非常に悪質な犯罪です。

そのうちここでは病院内で起こった出来事・事件を取り上げたいと思います。 入院中の経過、医師説明内容について詳しく説明することもできますが、 それでは何が問題であったかが分かりにくくなるため、ここでは分かりやすさを重視して、 問題点と論点を厳選してピックアップすることとしました。

具体的には以下の項目です。

問題点1:カテーテル治療(PCI:経皮的冠動脈形成術)大事故の画像分析・検証
問題点2:重大事故隠蔽・放置により危篤状態に陥る
問題点3:大事故による大出血・心タンポナーデを放置し対処が遅れ回復不能に
問題点4:治療法がないと嘘をつき患者を看取らせようとした
問題点5:急性硬膜下血腫の原因の頭部打撲を隠蔽

これらの問題点・論点に関して、1. 実際の経過・状態、2. 医師説明内容、3. 当時の私たち家族が考えたこと、 4. 実際に起こっていたこと(医療記録から判明したこと)、5. 総括の順に簡単に説明し、 次回以降、これらの問題点について、掘り下げていきたいと思います。

医師説明内容と経過の辻褄が合っておらず、その当時の私たち家族が混乱する様子がよく分かると思います。

問題点1:カテーテル治療(PCI:経皮的冠動脈形成術:術者:岩井利之医師)大事故の画像分析・検証

1. 実際の経過・状態
8月24日午後8時頃、前胸部痛、嘔気、冷汗が出現、取手協同病院に搬送。診断は急性心筋梗塞で、緊急治療(PCI:冠動脈カテーテル インターベンション)となりました。終了後、午前1時30分過ぎに、CCU入室、入院となりました。


2. 医師(岩井利之医師)説明内容
「時間がかかってしまいました。左前下行枝近位部から血栓を引き上げていく時に左回旋枝という別の血管に血栓を落としてしまい、一時、血圧が急激に低下しましたが、そこからも血栓を回収して、2か所にステントを入れて、良好な血流を確認しました。ただ詰まった部分が左前下行枝という最も重要な 冠動脈の根元の部分であったため、広範囲な心筋梗塞で重症です。今後、悪化する可能性もあり、厳しいかもしれません


3. 当時の私たち家族が考えたこと
「PCIが成功したのだから、この後は徐々に改善してくるはず。」


4. 実際に起こっていたこと(医療記録から)
PCI・CAG造影・透視画像からは左冠動脈主幹部解離・損傷・閉塞、左前下行枝解離・損傷・穿孔などの傷害が多発し「大失敗」。 至急、心臓血管外科に手配して緊急手術(CABG:冠動脈バイパス術、穿孔へのパッチ術)せずに放置すれば死亡する可能性が高い。


5. 総括
この時点で緊急対応をせず故意に放置したことが、死亡につながった直接の原因と考えられます。

問題点2:重大事故隠蔽・放置により危篤状態に陥る

1. 実際の経過・状態
8月25日から8月27日にかけて血圧が徐々に低下、頻脈が進行していました。 8月27日の時点で血圧60/40 mmHg, 心拍数150~160/min。


2. 医師(岩井利之医師とその上級医、梅本朋幸医師)説明内容
8月27日午後3時、午後7時での医師からの説明:「広範囲の心筋梗塞のため心臓のポンプ機能が低下し、 昇圧剤を大量投与しても血圧が維持できない状態です。 残された治療法がありません。今晩か明日、お亡くなりになる可能性が高いです。」


3. 当時の私たち家族が考えたこと
「PCIが成功したにもかかわらず、このような経過になるのはおかしい。何かがあるはずだが、 その「何か」が分からない」


4. 実際に起こっていたこと(医療記録から)
8月24日~25日のPCI画像では左冠動脈主幹部解離・損傷・閉塞、左前下行枝解離・損傷・穿孔などの所見が認められる。。 また最終日9月12日の全身CTでは胸部大動脈付近から左胸腔にかけての出血を疑わせる所見があり、 乱暴なカテーテル操作で大動脈を穿孔してしまった可能性がある。 またこの時点で、CRP 23 mg/dlと炎症反応が極めて高く、敗血症も血圧低下の一因として考えられる。 また8月26日から27日の1日間で、Cre 0.8 mg/dl→ 2.6 mg/dlと腎不全が急激に進行している。 尿量も非常に低下しており、補液をほとんど行っていなかった可能性すらある。 この日の昼過ぎにエコーで心嚢液貯留があるとの記載あり。


5. 総括
この日の血圧低下の原因としては、PCI治療の大事故に伴う出血性ショック、心嚢液貯留(心タンポナーデ)、 敗血症性ショックなど色々考えられますが、医師からは「ポンプ機能低下」以外、説明がありませんでした。 これらの治療可能な病態を隠蔽・放置して看取らせようとしたことは、経過から明らかです。

問題点3:大事故による大出血・心タンポナーデを放置し対処が遅れ回復不能に

1. 実際の経過・状態
8月28日午前9時頃:血圧110/60 mmHg, 心拍数100/min(劇的に回復)。


2. 医師(岩井利之医師)説明内容
「本日の未明にエコーを当てたところ、心嚢液が貯留していて心タンポナーデになっていたため、その治療として 心嚢穿刺を行いました」「連絡は同意がなかったのは、それをしている時間的余裕がなかったからです」 「心嚢液貯留の原因は、滲出型心破裂に伴うoozing(心臓内から心膜への染み出し)です」


3. 当時の私たち家族が考えたこと
「「心嚢穿刺」した後、血圧、心拍数がこれだけ劇的に回復したのだから、昨日(8月27日)の時点で致死的な状態だった原因は 心タンポナーデだったはずである。ということは昨日の時点での「残された治療法がない」というのは間違いで、 「心嚢穿刺をすれば回復する可能性がある」というのが正しい説明だったはず。しかしその時点で「心タンポナーデ」、「心嚢穿刺」 という言葉が一言も出てこなかったことを考えると、医師らは心タンポナーデを見落としたとしか考えられない」


4. 実際に起こっていたこと(医療記録から)
CCU記録用紙によると、午前0時過ぎ、時頃、大坂友美子医師(岩井医師の上級医)がヘパリンをプロタミンで中和し、I医師とともに「心嚢穿刺」を行った、 との記載あり。しかし提出された検体のコメントは「胸水」となっています。さらに前述したように、 大動脈損傷の可能性が高いことを考えると、医原性(事故)による緊張性血胸であった可能性があります。

また炎症反応が極めて高く敗血症に至っていた可能性がありますが、 それでも8月27日の時点で抗生剤は漫然とセフトリアキソン(ロセフィン)が投与されていました。 しかし8月28日未明から、チエナム(カルバペネム系)に変更されており、その後は炎症反応は改善傾向となっており、 血圧や心拍数が改善した要因の1つに、敗血症性ショックから脱したこともある可能性があります。


5. 総括
経過と医師説明内容を考慮すると、心タンポナーデ見落としが疑われるのは当然のことです。 しかし医療記録を丹念に読み込んでいくと、実際は心タンポナーデ・心嚢穿刺という医師説明自体も嘘である可能性が高く、 正しくは「PCIでの動脈誤穿刺による緊張性血胸」、「胸腔穿刺」と考える方が妥当です。

またPCI中、左前下行枝#7付近をガイドワイヤーが穿孔している画像や左冠動脈主幹部から造影剤が漏出している画像があり、心嚢液が貯留するとしたら、 このような損傷部位や穿孔部位からの出血をまず考えるべきで、医師はそのことについて隠さずに説明すべきであったはずです。

医師説明がここまで嘘で塗り固められていると、私たち家族の思考はここまで混乱してしまうということです。

問題点4:「残された救命手段がない」と虚偽説明し患者を看取らせようとした

1. 実際の経過・状態
8月27日に重度のショック状態に陥った際、「心臓の重度のポンプ機能の低下。昇圧剤で血圧が維持できなくなれば残された治療法がない」 という説明のみでした。 8月28日朝には重度のショック状態から脱しており、医師からは「未明に心エコーで心嚢水増量が認められ、 心タンポナーデと考えられたため、心嚢穿刺術を行った」と事後報告という形で説明がありました。 この経過から、医師らは心タンポナーデを見落としたと私は考えました。


2. 医師説明内容
心タンポナーデは見落としていない。8月27日の昼の時点でエコーを当てて心嚢水が増量してきていることは確認していた。 ただ、その時点で安全に心嚢穿刺できるほど心嚢水が貯まっていなかったため、 そのような説明(残された治療法がない)という説明になった」「説明不足だった」


3. 問題点
医師らは「心嚢水貯留、心タンポナーデ」について私たち家族には説明しなかったのは 単なる「説明不足」であるとしました。

しかし「説明不足」が単なる「説明不足」のみの問題に限定されるのは、その説明の有無により、 患者の治療方針や転帰・予後がほとんど変わらない場合に限られます。

この場合は「残された手段がない」という嘘の説明によって、本来は受けられたであろう治療の選択肢が 提示されず、患者が回復不能の状態になるまで治療を受けられなかったわけですから、 単なる「説明不足」の問題でないのは誰の目にも明らかです。

4. 実際に起こっていたこと(医療記録から)
前述したように、この時に起こっていた重度の血圧低下の原因は、 PCIの大事故(左冠動脈主幹部損傷、大動脈損傷の疑い)による胸腔内出血(医原性の緊張性血胸)とそれに伴う出血性ショック、 敗血症性ショック、心嚢液貯留などショックの原因は様々であり、いずれも対処は可能です。 安全に心嚢穿刺できる状態ではなかったとしても、胸腔穿刺による緊張性血胸の解除、 抗生剤escalationによる敗血症の治療は可能であったはずですが、ショックの原因に関するアセスメントはなく、 治療を行った形跡も全くありません。


5. 総括
重度のショック状態に陥った原因は様々で、それぞれ対処できる方法が残されていたにもかかわらず、 医師らが「残された手段がない」と虚偽説明して、そのような治療をせずに家族に看取らせようとするのは、 単なる「説明不足」の範疇を大きく逸脱しており、救える患者を見捨てて 死に至らしめる行為です。これは単なる「説明不足」をはるかに逸脱する犯罪です。

問題点5:急性硬膜下血腫の原因の頭部打撲を隠蔽

1. 実際の経過・状態
9月11日の夜に父が苦しそうに呼吸しているのを見て、帰宅してしまった主治医(岩井利之医師)に電話をつないでもらい、 私たち家族はそのことを訴えました。最終的には主治医が来院することになりました。 そこで上記の「心タンポナーデの見落とし」の疑い、説明の矛盾点について主治医に質問を繰り返しましたが、 辻褄の合わない返答を繰り返すのみでした。

9月12日朝に貧血が進行し、精査目的の全身CT中に心肺停止となったとの説明がありました。 そのCTで頭部に硬膜下血腫、脳出血が認められました。


2. 医師説明内容
「頭部CTで硬膜下血腫が認められます。本日の採血で血小板が3万(/μl)まで低下していて、感染もかなり重症化していて、 DIC(播種性血管内凝固)という状態で、出血しやすい状態となっているのが原因です」


3. 当時の私たち家族が考えたこと
「医師がそのように説明するのだから、そういうものなのだろう」と医師の説明内容を信じてしまいました。


4. 実際に起こっていたこと(医療記録から)
採血データでは、9月11日:Hb 10.9 g/dl, 9月12日:Hb 8.2 g/dlと確かに貧血は進行していました。 白血球 2550/μl, 血小板 3.6万/μl, CRP 23.44 mg/dlでした。胸部CTでは肺炎像も認められ、 人工呼吸器関連肺炎(VAP)と考えられます。炎症反応が極めて高く、白血球、血小板が減少傾向で、 敗血症の傾向があると考えられますが、頭蓋内に自然に出血を来たすほどには 血小板減少は進行していません(血小板3.6万/μl, PT-INR 1.3, APTT 35.2 sec)。


5. 総括
やはり頭部外傷があったはずです。これが急性硬膜下血腫の直接の原因で、 それが父の死因になったと考えられます。もっともこの状態で最善の治療をしなければ、 硬膜下血腫がなかったとしても、父は数日以内には死亡していたはずです。

PCIでの大事故の事実を最後の最後まで隠蔽

以上、父の病院内での臨床経過と医師説明内容の問題点を5つ抽出し、その概略を説明しました。 これを読めば、おおよその論点は把握できると思います。

この5つの問題点は、この病院内での「事件」の本質を理解しやすくするために挙げたもので、 それぞれに看過できない重要なポイントが含まれていますが、 この5つの問題点に共通するポイントは、全ての問題点における医師説明に重大な「嘘」が含まれていることです。

父が病院内で回復不能の状態に陥ったそもそもの原因は搬送直後に行われた医療行為であるPCI(冠動脈カテーテルインターベンション:術者:岩井利之医師)で 重大な医療事故を起こしたこと、そして医師らがその事実を本人と私たち家族に説明せず、必要な救命対応をせずに放置して死亡させたことです。 最初のPCIで生じた冠動脈損傷・解離・穿孔等の事実を医師らが全く説明しなかったことが隠蔽・放置の事実を証明しています。

次のページからは、これらの5つの問題点を5回に分けて説明していこうと思いますが、 その初回は、まさに事の発端となったPCI(冠動脈カテーテルインターベンション)について、 その周辺の事実経過、医師説明内容とその後「証拠保全」で入手した医療記録を分析・検証して判明した事実とを対比させながら、 詳細に説明していきます。

次は問題点1:PCI(経皮的冠動脈形成術)の大事故とその隠蔽【医療事件抹殺事件簿4】へ。

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